特別インタビュー 進学ってどうですか? オリィ研究所 ロボットコミュニケーター・吉藤 健太朗さん

寝たきりでもお金が稼げる社会へ
研究所スタッフには「OriHime」で“出社”している人も。その一人が、私の親友でもある番田雄太です。彼は4歳で交通事故に遭ってから、ずっと寝たきり。でも療養先から「OriHime」で国内外を講演してまわり、講演料を得るようになるなど、寝たきりでも社会に参加できる可能性を世の中に伝え続けていました(番田さんは2017年9月に永眠)。

身体は動かずとも、心が自由なら、友だちと遊んだり仕事でお金を稼いだりできる。そのための分身が「OriHime」です。孤独は、自分に価値がないと感じるのが一番つらいこと。だから、障害があってもどんどん社会に参加できる世の中をつくりたいんです。


ALS(注1)患者の方でも眼球の動きだけでパソコンなどを操作できる仕組みを開発。これを使って絵を描くことができる。自分が声を出さなくても「OriHime」で相手と会話することも可能だ。難病で意思疎通が難しくなるという孤独の解消に役立っている
注1:筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)。徐々に筋肉が動かなくなり、意識はあるが身体がほとんど動かせず寝たきりになってしまう難病


(左)研究所にいないスタッフは、「OriHime」で仕事に参加。遠隔操作でつながることで、実際に出勤しているスタッフと同じように仕事ができる
(右)仕事の指示や雑談なども、目の前に本人がいるかのようにできる。首や手が動いてジェスチャーするので、言葉にできない感情も伝えやすい。例えば、片手を挙げて「OK〜!」なんていう仕草もお手のもの