製造業をオモシロ楽しくする男YouTuberあまのっちが行く!in都立足立工業高校

〈vol.12 冬号(2021年1月発行)より〉

ロボットSIer(エスアイヤー)がワクワクする職業であると全国の10代に伝えつつ、チャンネル登録者数を増やすことw を目的に、YouTuberあまのっちが工業高校へ出張授業を行うシリーズ。今回は都立足立工業高校(以下、足工)にお邪魔しました〜♪「工業高校生がお金持ちになる方法、教えちゃいます!」と語るあまのっちは、果たして、登録者数を増やすことができるのか!?

楽しいコトばかり追いかけてたらお金持ちに?
 将来、どんな仕事をしようかな〜と悩んでいる人にナイス❗️なお知らせ。今、ロボットSIer業界でノリに乗ってるあまのっちが、仕事の選び方とお金持ちになる方法を教えてくれるというのだ❗️そんなワケで足工で行われている出張授業を覗いてみると…。
「あまのっちチャンネル、見てくれてる?」
生徒「……」
「あれ、見てないか〜。では、皆さんの中で、早く大人になりたい人❗️」
生徒「……」

「これもいない❓実は大人ってメチャクチャ楽しいし、仕事ってメチャクチャ面白いんです。でも、僕も高校生の頃は、『ダリ〜』なんて感じで過ごしていました(笑)。それが変わったのが、社会に出て、キーエンスというセンサを扱う小さな会社に入ってから。そこで努力することはカッコいいとわかったんです。これは今、理解できなくても大丈夫。でも、それがわかると成績がよくなった。同時に会社も大きくなって、今ではその会社は日本で一番給料が高いメーカーになりました。だけど、10年くらい前に、もっと楽しい仕事がしたい❗️と思い立って、起業し、現在はロボットSIer関連の会社を5つ経営しています」
 なんだかすごいサクセスストーリー。でも、成功するまでには、きっとツライこともあったんだろなぁ〜。
「いえいえ。苦労をしたから今があるのかというと全然違う。むしろ、楽しい仕事でワクワクしたい❗️って、そればかりを追いかけてきたから、今があると思っています。この『ナニナニをしたい❗️』という気持ちがあると、ツライことがあっても頑張れるんですよね。だから、僕は常に楽しいこと、ワクワクすることを求めて仕事をしています」

未来のことを想像してみよう!
 楽しいこと、ワクワクすることかぁ。そんな仕事があるんかなぁ。
「例えば、10年後、20年後、30年後、世界はどうなっていると思う❓」
Nさん「ん〜、10年後はAIによって簡単な仕事がなくなっている。20年後は自動運転が完成している。30年後は宇宙旅行が一般化する」

「すばらしい❗️就職先ってどう決めたらいいのか分からない人は、未来の世界がどうなっているのかイメージを膨らませ、そのとき自分がどんなことでワクワクしているのか、なんてことを想像するといいと思います。僕が30年近く前に就職したキーエンスは、当時は小さな会社だったし、まだセンサが世の中から注目されていませんでした。でも、僕はセンサの可能性にワクワクしたんです。そして、実際に今はいろいろな製品にセンサが使われていて、キーエンスは有名な大手企業よりも給料が高い会社となりました。会社とともに自分も成長するという体験は大手に就職していたら味わえなかったし、いい経験でした」

年収1億円も夢じゃない!?
 じゃあ、これからの時代に稼げる仕事ってナニ❓
「オススメなのが産業用ロボットを活用した生産ラインの設計や組み立てなどを行うロボットSIerです❗️実は、産業用ロボットは日本が世界的なシェアを持っています。そして、自動化された生産ラインの構築に欠かせないセンサも日本は強いんです」

産業用ロボット出荷総額に占める日本企業のシェア(電子部品実装機を含む/出典:IFR World Robotics2020)

 センサは<見る><聞く><触る>といった人間の五感に相当する役割を持つ装置。このセンサが近年、目覚ましく進歩していることもあり、人に変わって作業をする産業用ロボットの作業範囲が広がり、作業効率も向上している。
「今、工場が大きく変わろうとしています。生産ラインなどにAIやIoT技術を取り入れて、さまざまなデジタルデータを活用しながら、品質や生産性を向上させようという動きが活発化しているんです。こうした工場はスマートファクトリーと呼ばれ、現在、世界中でニーズが高まっています」
 特にあまのっちが注目しているのが「デジタルツイン」と呼ばれる技術なんだとか。3DスキャンやIoT技術を使って実際の工場の設備や生産ラインをコンピュータ上に再現。現実世界の製品や機器の形はもちろん、動きまでそのままサイバー上に再現することから“ツイン(双子)”という単語が使われる。
「これができると、新しい製品をつくる際に、最初に仮想空間で最適な人員などが算出できるため、より失敗が少なく、より最適な生産ラインの構築が可能になります。あるいは、リアルタイムで作業工程をモニタリングできるため、改善点を発見し、作業を効率化するなんてことも行えます。こういう生産ラインのデザインが行えるロボットSIerなら、年収1000万円だって目指せます。さらには、DX型ロボットジョブショップと呼ばれる無人搬送車(AGV)を使った自由度の高い生産ラインを提案したり、そうした工場の全体をデザインできたりすると、年収1億円だって夢じゃありません❗️」

従来のライン(上)とDX型ロボットジョブショップライン(下)の違い。無人搬送車が作業場を動き回り、部品を運ぶため、混み具合を見ながら作業の順番を入れ替えられ、作業効率がよくなる

今なら誰にでもチャンスがある!
 1億円❗️そりゃ、すごいけど、そんなのチョ〜頭がよくないとムリなんじゃ❓
「そんなことないんです。ロボットSIerって、生まれたばかりの職業なので、今なら誰にでもチャンスがあります。特に日本は産業用ロボットやセンサなど、スマートファクトリーに欠かせない技術が世界でもトップクラス。そんな国で工業の勉強をしているみんなは、この分野の第一人者になれる可能性がとてもあるんです。80年前、自動車産業に就職しようとすると笑われました。当時は造船などの重工業が人気だったからです。それが今では自動車産業が日本のトップ産業になりました。ロボットSIerは今はまだ、あまり知られた職業ではありませんが、どんどん需要が伸びている領域です。こういう領域で将来、仕事をすると、きっとワクワクしながら働くことができると思います。ちなみに、あまのっちチャンネルもワクワクする動画をたくさんアップしているので、チャンネル登録よろしく〜ね❗️」

文= 阿部 伸/写真= 高永 三津子
text ABE SHIN / photograph TAKANAGA MITSUKO