「曲がる半導体」で、きみも億万長者!?
フレキシブルエレクトロニクスが世界を変える
スマホやパソコンはもちろん、身近な電化製品まで、私たちの生活に欠かせないのが「半導体」。今、自由に曲げたり伸び縮みさせたりできる半導体が話題になっている。
曲がる半導体って何?そもそも半導体とは?国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)で「フレキシブルエレクトロニクス」を研究している牛島洋史先生に聞いてみた!
割れないディスプレイをつくれ!
スマホの画面が割れてガッカリ…なんて経験がある人いませんか?液晶ディスプレイに使われる「TFT」というトランジスタは、光を通すためのガラス板を使って構成されている半導体です。ガラスなので強い衝撃が加わると割れてしまいます。
「じゃあ、半導体をフレキシブル(やわらかくて、しなやか)にすれば割れないよね」という発想から曲げられるディスプレイの研究が始まり、2010年に「有機ELディスプレイ」が登場しました。ここに使われた技術が「フレキシブルエレクトロニクス」、いわゆる〝曲がる半導体〟です。
フレキシブルな半導体が実現したことで、今、さまざまな可能性が広がっているんです。
そもそも「半導体」ってナニ?
電気をよく流す性質をもった鉄などの物質と、電気を流しにくい性質をもったゴムなどの物質があるのは、ご存じですよね。半導体とは、その中間の性質をもった物質のこと。コンピュータの部品に使われる「シリコン」が有名ですね。「半導体」はもともと、そういった「物質や材料」を表す言葉です。
でも一般的には電子部品や製品をイメージする人が多いかもしれません。それは、ある条件によって電気を通したり、通さなかったりする性質を利用して、電流をコントロールすることで、情報を記録したり、計算したりできるため、世の中の多くの製品に使われているからです。