私たちがいなくなったら日本はどうなる?熱いぜ!ヤバイぜ!自動車整備士

自動車総連の浜口誠参議院議員に聞きました!

〈vol.12 冬号(2021年4月発行)より〉

「回転寿司って美味しいよね!」by浜口誠先生ーー今、自動車整備士を目指そうとする若い人たちに国会議員や国土交通省の方々が熱い眼差しを向けている。そんなウワサを聞き、いろんな所に取材に行ってきたのですが、なぜか始まった寿司トーク。なんでそうなった!?

お寿司が食べられるのは誰のおかげ?

自動車整備士は国家資格の1つで、自動車の点検や修理をする技術や知識を身につけた人のこと。「クルマのお医者さん」なんて言われることも。その資格に国会議員の浜口誠先生は、なぜ注目しているの?
「港であがった魚が新鮮なまま回転寿司屋さんに運ばれてきて、それを食べる。いや〜、お寿司サイコー❗️」
いや、自動車整備士のお話を…。
「実は、おいしいお寿司が食べられるのって、自動車整備士のおかげだって、知ってましたか
えっ、どゆこと❓
「ほかにもコンビニの商品や自動販売機のジュース、店頭に並ぶスマホだって、自動車整備士がいなければ、買うことができません。なぜなら、そうした品物はぜ〜んぶ自動車が運んでいるから。自動車の安全性を守るのが自動車整備士の仕事です。彼らがいるおかげで、我々は不自由することなく、いろいろな品物を手に入れることができるんですよね」

自動車整備士が今、激ヤバっ!

その自動車整備士を目指そうと思っている人たちに浜口先生は熱〜い視線を向けているんですか❓
「私だけでなく、国を挙げてそういう若い方たちを応援しているんです。というのも、今、自動車整備士がヤバいんです❗️」
そりゃそうですよ。お寿司が食べられるのが自動車整備士のおかげだなんて、激アツの仕事っす❗️
「いえいえ、そういう意味ではなくて、本当にヤバいんです。私は日本各地の整備場に足を運び、現場の声をお聞きしていますが、整備士不足で悩んでいる工場が本当にたくさんあります。その他にも例えば、自動車整備学校への入学者数は現在、年間6800人ほどで、この十数年で半数近く減っています(図1)。この数字を見ただけでも自動車整備士が足りていないことは明らかです。だから、ヤバいんです」

図1 自動車整備学校への入学者数の推移(参照:全国自動車大学校・整備専門学校協会)

3Kのイメージは本当なの?

それにしても、人気がなくなってきたのはナゼ❓
「きつい、汚い、危険。いわゆる『3K』のイメージがあるのだと思います。でも、実際は自動車ってどんどん進化していますよね。実は工場だって進化しています。例えば、車体を持ち上げる際にはリフトを使って、従来よりも腰や腕への負担を軽減していたり、自動車自体の電子化が進んだことで油で汚れる作業も減ったりしています。また、IT技術を活用して作業効率をアップさせるなど、働く環境はどんどんよくなっているんです」

自動車整備士は安定した仕事?

だけど、若者のクルマ離れという話も耳にするし、実は将来性がない仕事なんじゃ…。
「とんでもない❗️むしろ、景気に左右されにくい、安定した職業だといえます。なぜなら、日本で保有されている自動車の数は増え続けていて、今は8000万台以上。40年前に比べると倍の数です(図2)。これだけの台数を整備しなくてはいけないんですから、将来的に仕事がなくなるということは考えづらい。それに自動車が安全に走れるかどうかを調べる自動車検査登録制度、いわゆる<車検>というものがあり、これはどんな自動車も定期的に受けなくてはいけません。その検査を行うのも自動車整備士です。だから、将来的にも仕事は安定的にあるんです」
 でも、給料が安いなんて話も…。
「確かにそういう問題があるのも事実です。なので、自動車総連※1の顧問議員として、私も経営者の方々に処遇改善の要望をお伝えしたり、国会で国として整備士不足問題にしっかり取り組むべきじゃないかと訴えたりしています。実際に、国土交通省(以下、国交省)でも自動車整備士不足を解決するための取り組みを行っています。あ、そうだ。いい機会だから、国交省さんにも取材したらどうですか?私が電話しておきますよ❗️」
 というワケで、急きょ、友だちの輪❗️的に(←古すぎて誰も知らない??)国交省でも取材をすることに。なんか、すごい展開(笑)。

※1 自動車総連=自動車産業に関連したさまざまな企業で結成された労働組合が加盟する全国組織。正式名称は「全日本自動車産業労働組合総連合会」

図2 国内の自動車保有台数の推移※軽自動車を含む(参照:自動車検査登録情報協会)

最先端の仕事なんです

そういえば、浜口先生って、もともとトヨタ自動車で働かれていたんですよね❓小さい頃から自動車が好きだったんですか?
「兄が工業高校出身で車や機械が好きだったんです。その影響が大きいですね。また、近所の空き地に捨てられた自動車があって、子どもの頃はよくそれに乗り込んで遊んでいました」
ずっと自動車を見てきた浜口先生にとって、今の自動車業界はどんなふうに感じますか❓
「電気自動車に自動運転、水素で走る燃料電池自動車。空飛ぶ車なんていう話もある。自動車って昔からある乗り物だけど、どんどん進化していて、まさに最先端の技術を取り入れた乗り物です。だから、自動車整備士は最先端の仕事なんです。だからこそ、若い人たちの知識や技術や感性が必要になります。日本の車社会を支えるためにも、そして、みんなが美味しいお寿司を食べるためにも(笑)、こういう仕事があることを若い方たちに、まずは知っていただけるとうれしいですね」

というワケで、次回は国交省への突撃取材❗️

文=阿部 伸
text ABE SHIN

写真=小泉 真治
photograph KOIZUMI SHINJI