「ロボットアイデア甲子園」第1回全国大会レポート in2019 国際ロボット展

〈vol.9 冬号(2020年1月発行)より〉

高校生の発想で新ビジネスが誕生する!?
「ロボットアイデア甲子園」第1回全国大会レポート
in2019 国際ロボット展

いよいよ開催となった第1回「ロボットアイデア甲子園」全国大会。世界最大級規模のロボット展示会「2019 国際ロボット展(@東京ビッグサイト)」内に設置されたステージにて、2019年12月21日、熱〜い戦いが繰り広げられました。立ち見が出るほどの大盛況ぶりだった当日の模様をレポートします!

ナイスなアイデアが次々と!

ロボットアームやセンサーやコンベアや、いろんな機器を組み合わせて製造ラインの自動化を実現するロボットSIer(エスアイヤー)。「ロボットアイデア甲子園」は、そんなロボットSIerに必要な「組み合わせる力」を発揮して、新しいロボットの活用アイデアをプレゼンで競い合おう!という大会です。

全国大会には地方予選を勝ち抜いた11校11人の選手が集まり、ドローンを使った運搬ロボットやファーストフード店で活用できる調理ロボットなど、ナイスなアイデアが次々と飛び出しました。

しかし、そんな白熱する会場に、なぜか響き渡る川柳を詠む声…。いったい何が…。

会場中が苦笑。でも、涙を流す者たちも…

「柿くえば〜、経済(カネ)が成る(回る)なり〜、エスアイヤ〜」。プレゼン中の選手がおもむろに詠み始めた、まさかの川柳に会場から苦笑がもれる中、審査員席では感動の涙を流す者がいたとか、いなかったとか…。

というのも、この大会、ロボットSIerの仕事を多くの人に知ってもらおうと、経済産業省が音頭を取って2018年に立ち上げた「FA・ロボットシステムインテグレータ協会(以下、FAロボットSIer協会)」が主催。「日本のモノづくりを救うのは産業用ロボットだ」と期待されながら、産業用ロボットをつくる「ロボットSIer」が足りていない。それをどうにかしようと頑張っているのがFAロボットSIer協会です。

審査員をつとめる同協会の方たちが「高校生がロボットSIerの句をつくってくれた(ノ∀`)・゚・。」と思わず感動して涙を流したとか、流さなかったとか?

引率の先生も、まさかの…!?

審査方法は創造性があるか、世の中で困っていることを解決しているか、説明はわかりやすいかなどの各項目を点数化し、それをもとに順位が決まります。そうして、見事に最優秀賞を勝ち取ったのは…ジャン!あの川柳を詠んだ山梨県立甲府工業高校の加藤勇典さんでした〜。作品のテーマは「自転車整理ロボット」。加藤さんは「地方予選で産業用ロボットを見学したとき、想像以上に精密な作業ができることに感動しました。その気持ちのままアイデアを考えたら、ここまで来てしまった」と驚きの表情。

表彰式のプレゼンターをつとめたFAロボットSIer協会の久保田会長は「我々を(?)してくれた一句をありがとう!」と会場中が苦笑した川柳にやっぱり感動した様子でした^^

壇上にあがった引率の卯月英二先生は喜びのコメントを述べたあと、おもむろに深呼吸。え、まさか…。

「では一句。アイデアは〜、頭脳に眠る〜、無限資源〜」。先生も川柳をやるのね。客席から、またもや苦笑がもれる中、楽しくも熱〜い第1回「ロボットアイデア甲子園」全国大会は幕を閉じたのでありました。次回も皆さまの一句、じゃなかった、応募、お待ちしております!

文= 阿部 伸/写真= 高永 三津子 text ABE SHIN / photograph TAKANAGA MITSUKO