「ロボットアイデアコンテスト」 入賞者突撃レポ 第2回

高校生の発想で新ビジネスが誕生する!?
「ロボットアイデアコンテスト」 入賞者突撃レポ 第2回

「発想力がないんです」1月に開催された「ロボットアイデアコンテスト」(FA・ロボットシステムインテグレータ協会と経済産業省関東経済産業局が主催)の準優勝者・千葉英和高校の三浦飛翔さんにインタビューすると、そんな言葉が。これはただの謙遜!?それとも…。今回も同コンテスト入賞の秘訣を探ります!

教えてくれたのは…
千葉英和高校 普通科
三浦 飛翔さん(3年生/メカトロ倶楽部)

「新しくて奇抜なアイデアなんて、僕の頭からは出てきません」きっぱりと言い切る三浦さん。それなのに、どうして準優勝できたのでしょう?三浦さんのアイデアは「Auto Arrangementer(オートアレンジメンター)」という移動する台。これ、いったい、どんな台なの??

アタッチメントを変えることで汎用性が高まる自動配置及び多目的汎用移動台「Auto Arrangementer」

「アタッチメントを変えることで、好きな物を移動したり配置したりできる台です。例えば、植木鉢を常に日向に移動させる。自動販売機を需要がある所に自動で移動させる。アタッチメント次第では掃除ロボットにもなるなど、汎用性の高さを目指しました」

産業用ロボットの新たな使い道についてアイデアを競い合う同コンテスト。参加者は産業用ロボットの見学会とセミナーが受講できる。三浦さんも実際の産業用ロボットに触れ、あることを思いついた。

「工場で稼働する産業用ロボットが家庭で使えたら面白いと思ったんです。それで家庭用の掃除ロボットのように、小型で床を自由に移動する本体を思いつきました。その後は家庭でも役に立ちそうな産業用ロボットを片っ端から調べ、この台と掛け合わせました。だから、僕は新しいアイデアを生んだのではなく、世の中にあるロボットを組み合わせただけなんです」。

FA・ロボットシステムインテグレータ協会会員のロボコム(株)天野眞也さんと。「あるアイデアに別のアイデアをうまく乗せていたのが秀逸」と天野さん

審査員の天野眞也さん(FA・ロボットシステムインテグレータ協会会員)はそんな三浦さんの「組み合わす力」を評価。「このアームとこのハンドを組み合わせると最適なシステムになるぞ、というふうに、産業用ロボットは組み合わせの世界。0から開発するより、アイデアを組み合わせるほうがビジネスとして成功しやすい。三浦さんには、そういうビジネスのセンスを感じました」。

今年度、三浦さんは大学受験を控えている。ちょうど同コンテストと受験の時期がかぶるけど…「ロボットSIerに興味を持ったので、参加したいですね。次こそ、優勝!」。

そんなロボットアイデアコンテスト、昨年度は関東地区のみで開催したプレ大会だったけど、今年度は全国で「ロボットアイデア甲子園」として開催が決定〜。詳細はSIer協会HPにて発表するらしいゾ!

LEGO社のロボコン「WRO」の全国大会、世界大会での上位入賞を目指し、日々、活動中。顧問の平田知里先生と

コンテストに参加したメカトロ倶楽部のメンバーと。「次こそ優勝を狙います!」

文= 阿部 伸/写真= 高永 三津子 text ABE SHIN / photograph TAKANAGA MITSUKO