電気通信サービス業の現場
常に知識と技術を磨いて、社会に安心を届けています!
インフラを守る、社会になくてはならない仕事
情報通信と聞くと、電話やインターネットをイメージする人は多いと思います。でも、駅の自動改札機、コンビニのレジ、信号機なども、実は情報通信ネットワークにつながっていないと機能しないんです。
私は一般家庭の電話やインターネットの回線など、情報通信の設備構築や保守などを行う業務に従事しています。便利で安心できる暮らしに、今や欠かせないものとなった情報通信に関するインフラを守るのが私の仕事です。
秋田県立大曲工業高校 電子科 2014年度卒業
株式会社NTT東日本-南関東 東京北支店 設備部 板橋サービスセンタ
バケット車(高所作業車)を操作する高橋さん。1日4〜 6件、故障修理業務で個人宅や企業を訪問する
高いスキルが求められる法人の業務
今年で入社5年目。新人の頃は一般家庭を訪問することが多かったのですが、最近ではオフィスなど企業の回線の故障修理を行うケースが増えています。というのも、1年ほど前に電気通信設備工事担任者(以下、工事担任者)のAI・DD総合種(以下、総合種)という資格を取得したからなんです。
企業の場合、一般家庭と比べて、回線の種類や数が多く、中にはデータセンターのように大規模でシステムが複雑な施設があります。そのため、企業の業務は求められるスキルが高く、工事担任者でも最上位の総合種が必要なケースがあるんです。
工事担任者ってどんな資格?
工事担任者は電話やインターネットなどの回線の配線や接続工事を行うための国家資格です。工事の対象がアナログ回線の場合はAI 種、デジタル回線の場合はDD 種に区分され、それぞれ対応できる工事の範囲によって1〜3種があります。AI種もDD種も一番範囲が広いのが1種です。さらに、すべての工事範囲をカバーできる資格が総合種になります。
私は高校時代にDD 第3種とAI 第3種を取得したのですが、就職試験のときに「頑張って勉強したんだね」と面接官に声をかけられたのは、今でも印象に残っています。就職してからも資格を持っている分、同期に比べて、早い時期から一人で任せてもらえる場面が多かったですね。
1本のケーブルの先に多くの人々の暮らしがある
通信設備は企業にとって、まさにライフライン(=命綱、生命線)。1本のケーブルが多くの人々の安心な暮らしを支えているんです。そう思うと責任重大な仕事であり、やり甲斐をたくさん感じます。
以前、作業が終わった後に訪問先の企業の方々から「本当に助かりました!」「ありがとうございました!」と声をかけていただきました。自分の仕事に対して、こんなに感謝してくださる方々がいるんだと知って、嬉しくなりました。
故障修理業務の際、屋内の装置に異常がない場合は、屋外の設備を点検。バケット車を使って電柱の上で作業をすることも多い
高校時代の資格取得がその後の人生に大きく影響
資格を持っていると、将来、仕事の幅が広がり、その分、仕事の楽しさややり甲斐が大きくなります。私の場合は高校時代に工事担任者を取得したことで人生が変わりました。
というのも、資格を取得するためには目標を立て、コツコツと勉強をする必要があります。そうした目標に向かって努力する習慣を高校時代に身につけられたからこそ、社会人になってからも総合種を含め、さまざまな資格を継続的に取得し、今のように責任ある業務に携われるようになりました。
特に情報通信の世界は日々、新しい技術やサービスが生まれるので、それに対応するためにも継続して学ぶ姿勢は大切です。工事担任者の資格取得を通じ、その姿勢を身につけるキッカケができたと思っています。
資格を取得するのは確かに大変ですが、コツコツと努力をすれば、社会人になったときに、きっといいコトがあると思いますよ!
文= 阿部 伸/写真= 浅野 里美 text ABE SHIN / photograph ASANO SATOMI