使い捨ておしぼり、そのヒミツ 日本ラインファースト株式会社

「歯車」ではなく「原動力」になる人材を

他社に真似できないことをやる。それって簡単なようで難しい。なぜ、同社では実現できているのだろう。「私たちは従業員が80人に満たない中堅企業です。だからこそ、社員一人ひとりが会社の原動力として働いています。確かに大企業は力を持っています。しかし、社員は会社の歯車になりがち。逆に中小企業では重役になったり、社長になったりするチャンスがある。当社では<原動力>として働ける環境を整えることで、みんなが力を発揮し、現在のように成長できたんです」。

中小企業ってワンマン社長がいるイメージがあるけれど、同社では社員の判断に任せることが多いという。また、社員は9割が持ち家なんだとか。マイホームを持てるって、最近ではなかなか難しい。「一生懸命に働く社員が夢と希望を叶えられる会社にしたいんです」と成毛社長。

北関東工場の新第1工場棟。2017年に完成したばかり。まぶしいゼ!

あの有名人も同社のおしぼりのファン

おしぼりは日本が発祥といわれている。お客さんに汗や汚れた手を拭いてもらう。キレイ好きな日本人にとって、それは「おもてなしの心」そのモノ。そんな日本の文化をモノづくりの力で形にしているのが同社なのだ。実は、タレントのデヴィ夫人もそんな同社のおしぼりのファンなのだとか。

「海外にもおしぼり文化、そして当社の製品を発信したいと考えています。それには、まだまだ日本でやるべきことがたくさんあります。現在、製造ラインを拡張する準備を進めていて、もっともっと私たちのおしぼりのファンが増えるように努力していこうと思っています」と成毛社長。

取材が終わった帰りがけ、お土産にいただいたおしぼりを使ってみた。すると、身も心もなんだかスッキリサッパリ。明日も頑張ろうという気持ちにさせてくれる、そんな魔法のようなおしぼりがここにはありました。

日本ラインファースト株式会社
【本社】東京都板橋区新河岸2-7-7エンドレスビル
Tel:03-5997-7200
【北関東工場】埼玉県加須市志多見85-5
Tel:0480-61-6777
http://www.nlf-oshibori.co.jp/

〈冬号 vol.5(2019年1月発行)より〉

文= 阿部 伸/写真= 高永 三津子 text ABE SHIN / photograph TAKANAGA MITSUKO