小型電気自動車「PIUS(ピウス)」の分解・組み立て特別講習で…えっ!!事件が発生!?

in栃木県作新学院高校/主催:日本自動車教育振興財団

大変なウワサが編集部に届きました。なんと、17歳の高校生たちが校内を電気自動車で走りまわってるっていうんです!!それは大問題だ!というわけで、7月某日、栃木県の作新学院高校に向かった取材班。すると、電気自動車を次々と分解する生徒さんたち…。ちょっと!自動車を壊しちゃダメですよ!!

皆さん、反省してください!
自動車を分解しちゃって、これは問題だ❗️と現場に乗り込んだ取材班。すると、菊地さんという方が次のように話します。「そうなんです。時間内に分解できるか。それが問題なんです。指示待ちが多かったり、緩めるべきナットを緩めていなかったり、そういうムダやミスが多いと時間内に終わりません。どうやって時間内に終えつつ、高い品質を出すか。そこを考えてもらうことが大切な学びになります」
時間内に作業を終えるだなんて、持ち主に見つからないうちに分解しちゃう魂胆なんですね❗️ヒドイ❗️
菊地さん「この電気自動車PIUSは分解、組み立てをしながら、EVカーの基礎構造が理解できる教材用キット。私も指導に当たりますし、マニュアルをしっかり読めば、そこまで難しくはないと思います」
こんなヒドイことをして、生徒さんには反省してもらいたいですね❗️

マニュアル通りに作業する大切さ
午前中の間にすっかりバラバラにされた電気自動車PIUS。すると自動車整備士養成科2年生の皆さんが反省会を始めました。そうそう、大いに反省してください❗️
生徒A「工具待ちをする時間が多かった」
生徒B「チーム同士でもっと声かけをすればよかった」


ちょっと、どんだけ効率よく分解しようとしてるんですか!ほんとにこれは大問題です。いったいどういう教育をしているんですか、学科長の木村先生❗️
木村先生「チームワークは仕事をする上で重要になります。けれども、学校の学びだけではそこまで体験するのは難しいのが現実です。だから、生徒にとって、いい経験になっていると思います。今回の特別講習に応募してよかったです❗️」
ん❓なんか様子がおかしいぞ。生徒さんがいたずらで電気自動車を分解しているんじゃないの?これ、講習会なの⁉️
菊地さん「そうです。電気自動車の分解、組み立てを実際に体験してもらおうと、日本自動車教育振興財団が今年から始めた取り組みなんです」
まだ免許を持っていない高校生たちが電気自動車を乗りまわしてるって聞いたんですけど❓
菊地さん「ハハ(笑)。午前中に分解作業をして、午後から組み立てを行い、最後に実際に試乗してもらうんです。ほかの車などの交通がない校内で運転をするので法律上の問題はありません。むしろ、自分たちで組み立てた自動車に乗ることで、マニュアル通りに作業することの大切さや自動車を組み立てる楽しさを実感してもらう、いい体験になるんです」
ああ、そうだったんですね。よもや、よもや、取材班として不甲斐ない。早とちりでした(><)

教材用に開発された分解組立式小型電気自動車キット「PIUS」。約100点の部品で構成され、分解、組み立て作業を通じて電気自動車の基本構造が学べる

失敗したときこそ大事
というわけで、2時間弱で組み立てを終えると、いよいよ試乗となります。1人ずつ、校内を優雅にドライブ♪じゃなくて、ちゃんと組み立られたかを確認しながら運転します。高校生が校内を走りまわってるって、こういうことだったんですね(ノ_ _)ノ


特別講習の最後には菊地さんからこんなお話が。「成功の体験も大事だけれど、失敗したときこそ、その失敗を思い出してください。手順を間違えていた。マニュアルをきちんと読んでいなかった。そうしたミスが大事故につながります。なので、これからも失敗したときには、何でうまくいかなかったのかな❓というのを意識して技術を磨いていけば、優秀な技術者になれると思います。頑張ってください❗️」
最初は高校生に悪〜いことを教える悪〜い人かと思った菊地さんですが、実際は高校生たちの技術向上を手助けする、と〜ってもステキな方でした。
試乗を終え、工具類を片づけた生徒さんたちは、充実した顔で1日がかりの特別講習を終えたのでありました。

日本自動車教育振興財団

株式会社 村上商会- PIUS – KIT CAR

文・阿部伸/写真・小泉真治