「ロボットアイデアコンテスト」 入賞者突撃レポ 第1回

高校生の発想で新ビジネスが誕生する!?
「ロボットアイデアコンテスト」入賞者突撃レポ 第1回

「そのアイデア、1台買った!」審査員席からそんな声が。今年1月に開催された「ロボットアイデアコンテスト」(FA・ロボットシステムインテグレータ協会と経済産業省関東経済産業局が主催)での一幕です。最高賞を受賞したアイデアがどんなものだったかというと──。

教えてくれたのは…
静岡県立科学技術高校 ロボット工学科
長谷 季樹さん 2018年度卒業(取材時3年)

「実は当日、体調が悪くて、ボーッとしたまま表彰式に出たんです(笑)」まさかのカミングアウトから始まったインタビュー。後日、いろんな人から祝福され、ようやく実感がわいたのだとか。「著名な先生の講演が聞け、実際のロボットも見学ができ、たくさんの学びがありました」と長谷さんは振り返ります。

トラックの荷台にアームを搭載し、荷物の積み下ろしを自動化

関東の高校生と高専生が応募対象の同コンテスト。産業用ロボットのセミナーと見学会を受講した後、産業用ロボットの新たな使い道などのレポートを提出。その中から選定された生徒が後日、プレゼン発表を行いました。長谷さんはアーム搭載型トラックを提案し、最高賞となる関東経済産業局長賞を受賞。

「荷物の積み下ろしが自動でできるロボットアームを搭載したトラックを提案したんです。ロボットアームは通常、据え置きですが、それを移動型にしようという発想です」

将来、車の自動運転が実現すれば、工場間の積み下ろしと運搬が無人化され、「道路も生産ラインの一部になるので、より正確な生産管理が可能になります」と長谷さん。こうした将来を見越した発想を含め、「ビジネスに結びつく可能性が高い」と評価され、受賞につながりました。

審査委員の1人でもあるFA・ロボットシステムインテグレータ協会会員のロボコム(株)天野眞也さんと。「当日はプレゼン力もピカイチでした」と天野さん

学校の課題研究でつくったペットボトルを拾って運ぶロボット。今回のアイデアのベースとなっている

そんな長谷さんは根っからの工業好き。中学の頃から工業系大学への進学を考えつつ、「3年間、普通科目だけ勉強するなんて耐えられない!」と工業高校へ。「工業の勉強はいわゆる『勉強』の感覚と違って楽しい。高校時代から工業を学べたことで、工業については誰にも負けない自信がつきました」。

まだ就職について具体的に考えてはいないものの、今回コンテストに参加したことで視野が広がったそう。
 
「産業用ロボットの世界はいろんな技術を組み合わせて課題を解決するクリエイティブな仕事。そういう世界を知って、将来の選択肢が増えました」

数年後、本当に長谷さんがアーム搭載型トラックを開発し、工場間搬送の自動化が実現しているかも?? そんな夢が詰まったコンテストなのでした。

新3年生の佐藤匠真さん(左)と長谷季樹さん(右)。ウェイトリフティングをやっている佐藤さんと並ぶとどっちが先輩か…。「先輩の意志を引き継ぎ次回は僕がチャンピオンに!by後輩」

文= 阿部 伸/写真= 浅野 里美 text ABE SHIN / photograph ASANO SATOMI