ゲンバをWatch シゲキ的な現場で力を発揮! 店舗内装大工の世界

大工さんといっても家屋大工や建具大工など、いろんなジャンルがあります。株式会社アーク・メイカーは店舗専門の大工さん。現場は毎回、「シゲキ的」なんだそうです。いったいどんな現場なの?この道25 年の関根社長にうかがいました!

仕事の内容を教えてください!
いろんなお店の床や壁や天井、あるいは棚やカウンターや装飾などを作るのが仕事です。建物で言えば、六本木ヒルズ、銀座のデパート、アパレルメーカーのビル、そういった大きな商業施設の店舗を手がけることが多いですね。

店舗内装大工はほかの大工と何が違いますか?
店舗は開店日が決まっているため、工期が遅れることは絶対にNG です。また、内装は言わばその店の顔。見栄えのよさには特に気をつけています。

当社の場合、同じ物を作ることがほとんどないのも特徴です。特にファッションブランドの店舗は個性的な内装が多く、図面を見ても「これ、どうやって作るの?」と驚くものばかり(笑)

こうした店舗のデザイナーさんは他のブランドがやらない斬新な内装をデザインするんです。だから、「どうやって作るの?」の連続です。でも、そうした難題を予算内で工期を守って実現させること、それが僕らの腕の見せどころです。

これまでどんな変わった内装を作りましたか?
たくさんありますが、例えば、先日はあえて脚や背もたれがない、ただ角材を積み上げただけのソファを作りました。図面には仕上がり寸法が書かれているのみ。誰が座っても崩れず安全で、見栄えもよく、しかも予算内に作るにはどうすればいいのか、社員みんなでアイデアを出し合って完成させました。毎回、発想力や技術力が試されるので刺激的な仕事です。

今後の会社の展望を教えてください!
今年、青梅市に木工所を建てたんです。青梅市には魚が釣れる川がたくさんあるので、その川の主(ぬし)のようなデカイ魚を釣りたいですね!

いや、会社の展望を……。
今年、青梅市に木工所を建てたんです。クリエイティブな店舗用の家具をそこで生産して、都心の店舗に納めるシステムを構築している最中です。この事業を大きくしたいですね!釣りの話はカットでお願いします(汗)


青梅市にある自社の木工所にて関根社長(左)と大工のリーダー・水田祐介さん(右)

〈春号 vol.2(2018年4月発行)より〉

文= 阿部 伸/写真= 高永 三津子 text ABE SHIN / photograph TAKANAGA MITSUKO