未来を照らす救世主 謎の職業「ロボットSIer(エスアイヤー)」の正体を探れ! 第3回

未来を照らす救世主
「ロボットSIer」の正体を探れ!
第3回 生産シミュレーションって何だろう!?

前回までのあらすじ…「人手不足を解消するための産業用ロボットをつくる人手が不足」という嘘のような本当の話で、日本の製造業は今ピンチ!ところで産業用ロボットをつくる職業「ロボットSIer」になると、モテるという噂を聞きつけた編集部。それってど〜ゆ〜コト!?今回のキーワード「生産シミュレーション」を知れば、キミもモテモテになる!!かもしれない( ̄ー ̄*)ニヤリッ

網本社長による生産シミュレーション講座☆

産業用ロボットをつくる職業「ロボットSIer」。その仕事内容は企画や組み立てなど多くの工程から成り立っています。その中でも今、注目されているのが「生産シミュレーション」という工程。一体どんな仕事なのかを探りにFAプロダクツを訪れると…。

「きれいなロジックづくりなら、誰にも負けないっス。バンバン、シミュレーションして、モテモテになるっス」と登場したのは網あみもと本誠司さん。過去2回の流れから考えると、この展開で登場する人物はだいたい社長さんなのであります(¬д¬)

網本社長?
←たぶん社長の網本さん

「網本社長!今回、生産シミュレーションについて調べているのですが…」

「ああ、生産シミュレーションは大事っス。新しい工場をつくるときは、従来よりも『スタッフの数を減らしたい』とか『倍の数の製品をつくりたい』とか目標があるっス。ところが、何億円もかけてつくった工場をいざ稼働してみると、その目標を実現できなかったなんてことが起きるときがあるっス。そうならないようにパソコン上で仮想の工場をつくって検証するのが生産シミュレーションっス」

マルッと再現されたデジタルファクトリー

工場を設計する際には製造ラインに関連した設備のほか、人や物の流れ、在庫管理の仕方など、いろいろなことを考慮します。そのため、事前にシミュレーションをして、狙った通りに工場が稼働するのかを検証する必要があるのです。「シミュレーションするための仮想工場をデジタルファクトリーと自分たちは呼んでるっス」。

生産シミュレーションソフト「プラントシミュレーション」の画面の一部。工場内のあらゆる設備をコンピュータ上に再現し、実際に問題なく工場が稼働するかどうかを仮想の世界で検証することができる

上の図は生産シミュレーションをするためのソフトウェア「プラントシミュレーション」の画面。ロボットや作業員など、工場内のあらゆる要素がマルッとパソコン内に再現されています。

「例えば、『ベルトコンベアーの動作が数秒間遅いことで次の工程にスムーズに製品が流れていない』とか『稼働している時間が1日の中で数分しかないフォークリフトがあり、1台減らしても生産性に影響がない』とか、シミュレーションすることでいろいろなことがわかるっス。そうやって問題点を洗い出し、理想的な工場をパソコン上で再現するのが自分の仕事っス。こうして完成したデジタルファクトリーをもとにリアルな工場がつくられるっス」

網本社長ピンチ!2人目の社長現る!!

現在、同社にはいろいろな企業から生産シミュレーションに関する依頼や相談があるそうです。

「先日、大手のお菓子メーカーから新工場設立の相談を受けました。その際に、『工場の機能をシミュレーションしてくれる会社をずっと探していたんだ!』と言われました」そう話すのは貴田義和社長です。あれ?貴田社長と網本社長、どっちが本物の社長さん??

貴田社長?
←きっと社長の貴田さん

貴田社長「生産シミュレーション技術は欧米や中国では一般的なんです」

網本社長「でも、日本ではノウハウを持っている企業は当社を含めて数社しかないっス」

貴田社長「だから、余計にたくさんの企業から依頼が来るんです」

網本社長「来るっス」

アミさん、衝撃の告白!!

あのぅ、ところで、どちらが本物の社長さんなのでしょうか…。

網本社長「白状するっス。自分、ロボットSIerになって1年半の若手っス」

編集部「えっ(ー△ー;)」

アミさん「もともとシステムエンジニアだったけど、この仕事が面白そうで転職したっス。生産シミュレーションは今、注目の技術で、本当に面白いっス」

アミさん、社長じゃなかったんスね(ノ_ _)ノ

貴田社長いわく、ロボットSIerは新しい職業であることに加え、人手が足りないため、新人でもすぐに第一線で活躍できるんだとか。「網本くんもどんどん経験を積んで今や当社を代表するエンジニアです」と貴田社長。

貴田社長
私が社長でした☆

実は新工場の建築ラッシュ、始まっています

産業用ロボットの導入は当初、大手企業で進んでいましたが、近年では中小企業も力を入れるように。

「以前はアジア製品といえば、安かろう悪かろうでした。でも、現在はそんなイメージはありません。そうした中で日本製品を売るには、今まで以上にコストを削減し、品質を上げなくてはいけない。産業用ロボットは人手不足解消だけでなく、それらを実現するためにも注目されているんです」

加えて、近年では工場内のさまざまな設備をネットワークで結んだスマートファクトリーが脚光を浴びています。これまで製造ラインの一部にロボットを導入し、部分的に自動化を図ってきた大手メーカーが多くありました。しかし、それだけでは行き詰まり、工場全体をスマートファクトリー化する企業が増えているのです。そのため、実はここ最近、新工場の建設ラッシュが始まっているそうです。「だから、なおのことロボットSIerが足りないんです」。

ロボットSIerはモテ商売??

ところで、ロボットSIerはモテるんですか?

「日本の生産技術は世界でもトップクラスなのに生産設備のエンジニアは人気がない。私たちはこの状況をひっくり返そうと思っています。ロボットSIerは日本の製造業を救い、日本の経済を元気にする可能性を秘めています。給料もステータスもそれに見合った水準にし、必ず人気の商売にするので、若い人たちにはこの世界に飛び込んで来て欲しいですね!」

ロボットに興味があって、お金を稼ぎたくて、モテモテになりたい高校生は要チェック!ということで、次回もロボットSIer の世界を深掘りしていきます!

今回取材したFAプロダクツや前回取材したロボコムなど5つのロボットSIer企業が幹事会社となり、共同事業体「Team Cross FA」を創立、その記者発表が8月27日に行われた。鹿島建設や日立システムズなどの大手企業も公式パートナーとして名を連ねる

株式会社FAプロダクツ
業界屈指の生産シミュレーション技術を持ち、産業用ロボットをはじめとしたスマートファクトリーのパッケージ企画・プロモーション・プロデュースを行うプロフェッショナル集団です。

文= 阿部 伸/写真= 高永 三津子
text ABE SHIN / photograph TAKANAGA MITSUKO

〈vol.8 秋号(2019年10月発行)より〉